コーヒーのおおまかな区分

pyramid

★生産国の基準(品質・香味)から、コーヒー個々の味の個性を評価(おいしいコーヒーの評価)

●Specialty ・スペシャルティコーヒー
カッピングスコアーが80点以上
単一農園、地域限定で小農家より集買等の豆でその産地特有の香味に個性があるもの
【評価基準】
基準以上の品質と、国際基準によるカップ評価で80点以上
・アロマ ・アシディティ ・ボディ ・アフターテイスト ・フレーバー

※スペシャルティの細分化
・Top pf Top 90点~
・Topスペシャリティ 85点~89点
・スペシャリティ 80点~84点

●Premium ・プレミアムコーヒー
コマーシャルコーヒーより品質が高く、生産地域が限定され、地域特性のある珈琲豆

●Commercial ・コマーシャルコーヒー
凡用品で一般的で一番多く流通している珈琲豆
ブラジル サントスNo2、コロンビアSP等
※ニューヨークの商品取引所の相場に連動

●Low Grade ・ローグレードコーヒー
安いレギュラーコーヒーに使用される珈琲豆

生産国による珈琲豆の格付け

標高が高い産地・大粒の豆は香味が豊かで高品質の傾向がある。又、異物、欠点豆(発酵・虫食い等)の混入による異臭の発生や香味の低下等、その格付けを行う根拠はあるが、欠点数による格付け以外では必ずしも味が比例するものではなく品質の格付けと思ったほうが良いと思います。
※生産国により主な栽培品種が違う為、それに合わせた格付け(基準)になっています。

(A) 標高による格付け
標高が高いと寒暖の差が大きく、実がしまり酸味が豊かになる。⇒標高の高い産地を評価
※生産国により標高の基準は違います。
例)グアテマラで標高1300M以上 SHB(ストリクトリー ハードビーン)等
メキシコは1000~1600Mをアルトゥラ表記

(B) スクリーンサイズの格付け(珈琲豆の大きさ)
大きい豆のほうが高く格付け
スクリーンサイズ:1/4インチ刻みのサイズ部類
例)S17~(6.75mm~)は17/64インチの穴のふるいを通らない大きさの豆
例)コロンビア SP、タンザニア AAはS17以上

(C) 欠点数による格付け
主に300gの生豆に入っている数で格付けを行います。
異物:石、コンクリート片、釘、穀物〈トウモロコシ等〉
欠点豆:黒豆等の発酵豆(発酵、カビ等の異物な臭い)、死豆、虫食い豆等(異臭)、貝殻豆、欠け豆(焼きムラ等の発生)

●主な生産国格付け例【グレード表示:高い⇒低い】

(南米)
・ブラジル・・・(B)+(C)
グレード表示:No.2⇒No.3⇒No.5
・コロンビア・・・(B)
グレード表示:SP(スプレモ)⇒EX(エクセル)

(中米)
・グァテマラ・・・(A)
グレード表示:SHB⇒HB⇒SH
・メキシコ・・・(A)
グレード表示:アルトゥラ⇒PW(プライムウオシュト)

(アフリカ)
・エチオピア・・・(C)
グレード表示:G1⇒G2⇒G3⇒G4
・タンザニア・・・(B)+(C)
グレード表示:AA⇒A⇒AB⇒B⇒C

(アジア・太平洋)
・インドネシア・・・(C)
グレード表示:G1⇒G2⇒G3
・アメリカ(ハワイ)・・・(B)+(C)
グレード表示:Extra Fancy⇒Fancy⇒No.1

コーヒーの植物学

被子植物門双子葉植物網アカネ目アカネ科コーヒーノキ属に分類される常緑灌木、花は純白でジャスミンの様な芳香を放ちます。
栽培地はコーヒーベルトと呼ばれる南北両回帰線内の熱帯、亜熱帯地域で年間平均雨量1500~2000mm、気温20度前後、種から結実まで約3年、収穫は年1~2回です。

コーヒーの品種は100種以上と言われますが、現在で商業栽培されているのが、アラビカ種カネフォラ種の二種が主に栽培されています。

●アラビカ種(Coffea arabica)
エチオピアで自生、樹高約5mの常緑低木で現在生産されているコーヒーの約65~70%を占めています。広く一般的に好まれる味(ストレートはほぼアラビカ種)ですが病気に弱いという弱点があります。
(アラビカ種の主な品種)
・在来種・・・エチオピア原種、ゲイシャ、イエメン、スマトラ、ティピカ等
※ティピカ・・・エチオピア→イエメン→インド→インドネシア(ジャワ島)→オランダ→フランス⇒マルティニーク島(中南米の右側にある小さな島)に移植栽培された子孫がコロンビアと中米に伝播
・突然変異種・・・マラゴジッペ、ケント、ブルボン、カツーラ等
※ブルボン・・・ティピカ⇒レイユニオン島(旧ブルボン島)で突然変異し固定化
※マラゴジッペ、ケント・・・ティピカの突然変異
※カツーラ、パカス・・・ブルボンの突然変異
・自然交配種・・・ムンドノーボ、アカイア等
・人工交配種・・・パカマラ、カッツアイ等
・選抜種・・・SL28、SL34等

●カネフォラ種(Coffer canephora)
アフリカのビクトリア湖で発見され樹高10m以上に達し高温多湿・病害虫にも強く低地栽培も容易でコーヒーの約35%程度を占めています。代表的な品種はロブスタで独特なこうばしさ〈麦茶のような〉と苦みが特徴です。
※主な用途はインスタントコーヒー、缶コーヒーの材料とアイスコーヒーやブレンドコーヒー〈安価な〉の苦みを主とした配合用に使用されています。

●アラビカ種とカネフォラ種の交配
★アラビカ種とカネフォラ種は染色体の数が違うため基本的には交配しません。例外的に自然交配で誕生したハイブリッドチモールとアラビカ種を交配させ作られたカチモール等、病気・環境に強く生産性の高い品種が作られています。

コーヒーの香味の違い

生産国、地域によって味が違うのは・・・(コーヒーの香味の違う要因は・・・)

1. 品種
ティピカ、ブルボン、ゲイシャ等の個々の品種が持っている酸味・甘み・香りの特性
2. 栽培条件
気候、土壌、地形等による味覚特徴(標高が高く寒暖差が激しい、霧に覆われる、火山灰で水はけが良い、肥沃な土壌等)
3. 精製方法
水洗式(ウオシュト)、非水洗式(ナチュラル)、パルプドナチュラル、スマトラ式等
コーヒーチェリーが生豆になるまでの精製プロセスによる香味の違い

※スペシャルティ、プレミアム等は
1⇒2⇒3の順に要因が絡み合い、地域、農園特有の個性・特徴が顕著に現れます。

※コマーシャルコーヒークラス
主要栽培品種、精製方法等のより、その生産国の味覚特徴がきまります。

コーヒーの名前

●一般的な名称・・・サントス、モカ、マンデリン、キリマンジャロ等は・・・

・コーヒーの積み出し港⇒ブラジル サントス、モカ
・地域、地区⇒ハワイ コナ、キリマンジャロ、ブローマウンテン等
・地域、精製法⇒マンデリン(インドネシア スマトラ島のスマトラ方式で精製)
・生産国+格付け、等級⇒コロンビア スプレモ、グァテマラSHB等

●スペシャリティ、プレミアム、オーガミック等は・・・

農園名、地区、地域等と品種、格付けの組合せ、地域をイメージしたネーミング等さまざまに付けられています。

コーヒーの精製

収穫されたコーヒーチェリーが焙煎される前の生豆(本当は種です)になる工程です。おおきくは自然乾燥式と水洗式にわかれます。

・自然乾燥式(ナチュラル、アンウオシュト)
収穫したコーヒーチェリーをコンクリートの上に広げ乾燥させたのち脱穀し生豆を取り出す
・作業工程が単純で低コストではあるが、天候に作用され欠点豆の混入率が高くなる
採用国:ブラジル、エチオピア、イエメン(ブラジル、エチオピアはウオシュトもあり)

・水洗式(ウオシュト)
1. 収穫したチェリーを水槽に入れる:比重を利用し未熟な豆、ごみ、石等を選別
2. 黒肉除去機(バルバー)にかけ果肉を除去しパーチメントにする
3. パーチメントに付いているミューシレージ(ぬめり)を再度、水槽に入れ自然発酵で分解する
4. 水できれいに洗ったものを乾燥:天日(コンクリート、棚等、機械(ドライヤー乾燥))等
5. 最適の水分値になったパーチメントを休憩させ、落ち着いたものを脱穀し生豆を取り出す
採用国:コロンビア、タンザニアを始め、ほとんどの国で主流

・水洗式の変形・・・セミウオシュト
ウオシュトの簡素化で果肉とミューシレージを同時に除去し水槽の発酵部分を簡素化

・水洗式と自然乾燥式のいいとことり・・・パルプドナチュラル
果肉を除去するまではウオシュトと同じだが、ミューシレージが付いたままの状態で天日干しを行い、乾燥後に脱穀し生豆を取り出す
※コクと複雑な香味を生み出す

・ナチュラルの変形・・スマトラ式
インドネシアのマンデリンの作り方です(インドネシアのスマトラ島でスマトラ式で作られたものがマンデリンです)
収穫した実を果肉除去し、1日程度天日乾燥したものを脱穀、生乾きの生豆(アサラン)を水分値13%程度まで天日乾燥して仕上げる。

オーダー焙煎のシステムについて

コーヒーを飲んでいる間に、お好みの珈琲豆を焙煎します。
※珈琲豆の価格表は別途ございます。お気軽にお申し付け下さい。

・煎り立ての珈琲豆は2週間以内が最も香りが良く飲み頃です。焙煎直後はガスが珈琲豆に多く含まれている為、約1日間くらい熟成をさせてからお飲みになる事をおすすめします。

・珈琲豆を焙煎すると生豆に含まれる水分が蒸発し約15~20%目減りします。
※200gの生豆を購入していただきますと焙煎後のお渡しは約170gとなります。